2006年 09月 19日
Road to Hawaii ~ホノルルセンチュリーライド2006
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ハワイに行ってきます、自転車をもって。

今年で21回目を迎える「ホノルル・センチュリー・ライド」にはじめて参加してきます。
ハワイ・オアフ島を自転車で走るこのイベント、あくまでも「レース」ではありません。
時間を競うわけでもなく、順位付けもありません。
美しいホノルルの風景を、子供から大人まで自転車で楽しむ、そんな気楽なイベントです。

昨年自転車に乗り始めて以来、「いつか海外で自転車に乗れるといいね」なんてカミサンと話していたところに
飛び込んできた、楽園ハワイでのサイクリングイベント。
まだ桜も咲かない3月に参戦を決めてはや半年、この日をとてもたのしみにしていました。
スタートまで、ついにあと数日。
なんとかなるだろうとの根拠のない自信と、走ったことのない道、距離への不安... けどあまりネガティブな
ことを考えるのはよしておきましょう。
今僕たちの頭の中には、夕景の中の歓喜のゴールシーンしか思い浮かんでいません。

走る距離は20マイル(約32km)から25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)、
そして100 " Century " マイル(約160km)の5種類から選択することが出来ます。
事前に自分が目標とする走行距離を申告する必要がありますが、当日の体調によっては短く切り上げても、
さらに先のポイントを目指すのも自由。
朝6時にホノルル・カピオラニ公園をスタートし、17:30のゲートクローズまでの約11時間で完走を目指します。
丸1日、自転車でハワイと戯れることができそうです。

そして、僕たちが目指すポイントはもちろん...
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" Century Mile " 完走を狙っていきます。
まずはスタートから50マイル、約80km先のこのビーチが目標地点になります。
ココを折り返し100マイル先のゴールをめざす、というわけです。

これまでの自転車歴で1日に走った最長距離は、去年夫婦そろって参戦した富士チャレンジ200での100km。
コースの富士スピードウエイはクローズドなうえに上りも下りもあるのであまり参考になりませんが、
このときはかなり一生懸命走って僕が4時間弱、カミサンが5時間強で100kmを走りきってます。
このペースでいければ11時間以内での160km「完走」はなんとかなりそうですが、初体験の海外の一般道、
爽やかながらも暑い気候、補給のための休憩時間など、計算できない事項もたくさん。
楽天的に考えながらも不安がないかというと... イヤイヤ、ぜったい走りきってみせますよ。

これまでいろいろ海外に行きましたが、ハワイは夫婦揃ってはじめてです。
じつのところ、毎回プランを立てる段階で
「ハワイはどう?」 「まだいいでしょ、みんな行ってるし」
となっていたんですな。
けどまわりの経験者は口を揃えて「ハワイよいとこ一度はおいで」とおっしゃります。
そのハワイでのんびりできるのも、もちろん楽しみの一つ。
問題はレース後にくたばってしまわないかどうかですが...

以下備忘録の意味もかねてこれまでの「準備編」をメモしておきます。
興味のある方はぜひご一読アレ。




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このイベントに参加するには?

大きく分けて2つ方法があります。

 1.「ホノルル・センチュリー・ライド(HCR)」ツアーに参加する

  これが一番お手軽かつ確実で手間のかからない方法です。
  2004年にJALがHCRの公式スポンサーになって以来、各旅行代理店からこういったツアーが数多く
  販売されています。
  JAL系航空会社でのハワイ往復、ワイキキのホテル、HCRへの代行エントリー、日本の空港からハワイの
  ホテルまでの自転車の運搬サービスなどなど、すべてがパッケージされています。
  心配しなくてはいけないのは、自転車の梱包と、家から各国内空港までの移動手段くらいでしょうか。
  (オプションでこの部分が含まれていることもあるようです)
 
  パッケージ料金は、宿泊するホテルのグレード、滞在日数(5日~7日が多い)にもよりますが、概ね
  13万円~20万円/人 といったところのようです。
  大手の自転車ショップでも取り扱いやタイアップしていることもあるので、行きつけのお店で相談して
  みるのもいいかもしれません。


 2.個人手配  

  いろんなパーツを自分で手配する方法です。
  ツアーに比べてかなり(ホントかなり)手間はかかりますが、日程、ホテルなどを自由に選べるメリットが
  あります。
  ただくれぐれも注意... ほとんどの場合でパッケージツアーに比べて割高になってしまい、価格的な
  メリットはほぼないと思っておいた方がいいです。
  よく計算しながら進める必要があります。

  ちなみに今回我が家では、マイレージの特典で2人分の航空券を入手できたため、こちらの方法を
  選択しました。
  こういった例を除いては、素直にパッケージを利用した方が金額的にはお得だと思います。
  ただ繰り返しになりますが、好きな場所に好きなときに自由に移動できる... この醍醐味は個人旅行
  ならでは。
  面倒くささも味のうちと思える方は、ぜひチャレンジしてみてください。

  (ちなみに我が家では新婚旅行=僕の初の海外旅行以降、ほとんどすべてこの方法で海外旅行に
  行っています。慣れてくると星の数ほどの選択肢の中から、ピッタリ合った「キラ星」を探すのが楽しみに
  なってきたりして、手間も時間もかかりますが、思い出深い旅になること請け合いです)

  では、以下に各パーツの手配方法などを説明します。

 2-1)航空券
  各国内の空港からホノルルまでの往復です。
  ここでの最大の注意点は「自転車の運搬」です。
  各航空会社によって手荷物の範囲で持ち込める大きさ・重量の範囲が異なります。

  参考までに今回利用するユナイテッド航空の場合、エコノミー利用では手荷物は2個まで持ち込み可能で、
  それぞれの手荷物の3辺(縦、横、高さ)の合計が157cm以内、かつ重さが32kgを超えない事、
  となっています。
  自転車の場合、重量はおおむねクリアーできますが大きさはまず間違いなくひっかかってしまいます。
  そこでユナイテッド航空に確認してみたところ、内容物が自転車であれば特例として大きさのオーバーは
  「ある程度」認めている、との返答でした(なんともアイマイ)。
  このあたりは前述の通り各航空会社で取り扱いが異なると思うので、くれぐれも事前に十分確認して
  みてください。
  万が一手荷物の範囲を超えてしまうと、どえらく高いエキストラチャージを支払わなくてはならない
  可能性があります。

  なお後ろの「エントリー」の部分でも詳しく述べますが、航空会社の選択に余裕がある場合は、JAL系の
  利用をオススメします。
  HCRへのエントリーフィー、空港間の自転車運搬などいろいろとメリットがあります。

  最後に1つTips。
  最近の原油高の影響を受けて、各航空会社が「燃油サーチャージ」という航空運賃とは別の料金を
  設定していることが多くなっています。
  その金額が最近高騰してきていて、日本~ハワイ・欧州・北米などの便だと、航空会社によっては片道で
  1万円を超えるチャージを取られてしまいます。
  たとえばホノルル往復¥59,800の格安航空券を入手できたとして、実際には8~9万円もかかって
  しまう... ということになりかねません。
  このサーチャージ、空港使用料などと同じく、マイル交換の特典チケットにもしっかり加算されます。
  僕たちはたまたまチケットの発券が早かったので、値上げ前の比較的安い金額で済みましたが、
  これから海外旅行を計画される方はくれぐれも気をつけてください。

 2-2)ホテル
  ネットの普及で、個人旅行の手配は劇的に簡単になりました。
  その最たる例がホテル手配で、国内外のいろんなサイトで数多くのホテルを比較することができるように
  なりました。
  さいわいハワイは旅行先として超メジャーなので、日本語サイトだけでも十分な情報を収集できます。
  HCRのためのホテルとしては、スタート地点(カピオラニ公園)からそんなに遠くない、ワイキキ界隈の
  ホテルがターゲットになります。
  3つ星以上で1泊1部屋あたり¥15,000-30,000(上を見ればキリないですけど)くらいが相場でしょうか。

  注意点として、部屋への自転車の持込ができるかどうかを事前に確認しておきましょう。
  自転車の組み立て、分解、簡単な整備は最低限しなくてはならないので、部屋に持込ができると楽です。
  部屋への持込みが禁止でもなにか屋内クロークみたいなものがあればいいですが、さすがに屋外保管は
  きついでしょうね。

  ...なのですが、今回僕たちが手配したホテルは室内への自転車持込は禁止です。
  (最初はOKだったのですが、改装工事を理由に×になってしまいました)
  ホテル側の説明によると、共同の屋内クロークがあるのでそこに預けてほしいとのこと。
  一抹の不安が残りますが、どうなったかは旅のあとの記録を確認してみてください。

  ホテル手配のTips。
  いろんな格安ホテル予約サイトがあって、値段の比較などとても便利なのですが、あなどれないのが
  ホテルの現地サイトから直接予約する方法。
  ホテルによってはいろんな宿泊プランを用意してあり、かなりお得な料金設定の場合も多々あります。
  ハワイのホテルの場合日本語ページを用意してあったり、日本法人(代理店)が運営してたりする
  ことも多く、国内のホテルを予約する感覚で手配することが出来ますので、ぜひ一度覗いてみることを
  オススメします。

  最後にホテル選びの格言「安いホテルの高い部屋より高いホテルの安い部屋」。
  これ、間違いないです。

 2-3)HCRへのエントリー
  僕が調べた限りでは、3つ方法があります。

  1.JALのHCR事務局から書類を送ってもらい、必要事項を記入しエントリー
  2.JALのHCR事務局にエントリーサイトの" SPORTS ENTRY "からオンラインでエントリー
  3.本国の主催元である" Hawaii Bicycling League "からオンラインでエントリー(英語)

  1.2.はエントリーの方法が異なりますが、JAL主催のHCR事務局に申し込む点は共通です。
  この場合、JAL系航空会社を利用するかどうかでエントリーフィーや受けられるサービスに差が出ます。
  エントリーフィーはJAL系利用で¥6,600/人、それ以外だと¥10,300/人(ガイドブック、マップを
  希望した場合)。
  さらにJAL系利用だと空港間の自転車運搬サービス、現地での自転車メンテナンスサービスを受ける
  ことができるなど、さすがにしっかりと「区別」されています。
  ただし前述の通り、他の航空会社でも手荷物の範囲内で自転車を運搬することは可能です。

  3.は、直接ハワイのHCR事務局にエントリーする方法です。
  すべて英語でのエントリーになってしまいますが、エントリーフィーが$30と格安です。
  ただし日本語のガイドブック、マップなどはついてこないのと、申し込み後の書類などをすべて現地で
  ピックアップする必要があります。
  リピーターの方などにオススメ、かな?

  というわけで、今回は初めての参加ということで無難に2.を選択。
  8/31のエントリー&入金締め切りに間に合うようにエントリーを済ませましょう。

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  以上、航空券、ホテル、HCRへのエントリーの3つがそろえば、最低限の手配は完了です。
  ほかに必要になりそうなものとしては、

 2-4)成田空港の民間駐車場
  家から空港まで荷物(特に今回は自転車)を運ぶことを考えると、一番手っ取り早いのは成田まで車で
  行ってしまうこと。
  僕たちが成田に行くときは100%この方法を使ってます。
  成田空港周辺には安価な民間の駐車場がたくさんありますが、車好きとしてこだわりたいのは
  「場内完全固定」であるということ。
  逆に言うと、多くの民間駐車場では場内の車の移動は当たり前、格安の場合数十km離れた、別の
  「泥んこ」駐車場にまわされることもあります(だから洗車がサービスになってるんですな)。
  あまり気持ちいいものではないですよね、気をつけましょう。

  1箇所だけ、僕がいつも使っている完全固定式の駐車場を紹介しておきます。
  セントラルパーキング成田

 2-5)ハワイでのレンタカー
  これはマストではありませんが、個人手配の場合特にあると便利だと思います。
  というのも、個人手配の場合、ホノルル国際空港からホノルル市内のホテル間で、自転車を含めた
  荷物(かなりの大荷物)を自分で運ぶ必要があります。
  荷物が少なければバス、タクシーなどでホノルル市内まで移動できますが、自転車があるとその手段も
  限られてきそうです(大型タクシーとか使えばいいのかな)。
  レンタカーがあればその心配もいらない、というわけです。
  (空港からレンタカーオフィスは荷物を持って移動する必要がありますけどね)

  てなわけで今回は、ハワイに着く初日と最終日2日間の2回分、レンタカーを手配しました。
  到着初日、空港からホテルまでの移動とコースの下見、最終日前日のハワイのドライブと最終日の
  ホテルから空港までの移動をこれでおこなう予定です。
  こうすれば空港-ホノルル市内間の移動費を節約できて一石二鳥、になるはず。

  なおハワイは国際免許証がいらないそうです(用心のため持って行ったほうがいいでしょう)。
  またレンタカー会社によっては空港から市内までの乗り捨て料金に差がありますのでご注意を。
  今回手配したBudgetは乗り捨て無料のようです。

 2-6)ハワイでのアクティビティー
  これはもう好き好きで、ね。
  セスナ体験操縦なんてのに興味津々....
  100マイル走ったあとに遊ぶ体力が残っているかどうか、それが問題だ。

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そのほか事前準備は?

 普通の海外旅行に必要なもの以外で、持っていく物をまとめてみましょう。

  1.自転車
  2.ヘルメット
  3.アイウエア
  4.グローブ
  5.シューズ
  6.ウエア
  7.サドルバッグ・ボトル・携帯工具入れなど
  8.工具類(パンク修理キット含)
  9.交換チューブ(最低2本)
  10.インフレータ(携帯空気入れ)
  11.サプリメント、湿布類

 1~6は当然ですがいつも使っているものを、もれなく。
 忘れないようにしなくちゃいけませんね。

 7の入れ物類は、あとで説明するチューブ、工具類を効率よく収納できるもの。
 なるだけ小さく軽く、けど体にバック類はつけたくないので、ある程度の収納力はあった方がいいでしょう。
 水分補給用のボトルも2本は欲しいところです。

 8の工具は最低限パンク修理ができるもの、具体的にはタイヤレバー(2本以上)はぜったい必要。
 あとは分解して梱包した自転車を組み立てるために必要な工具、アーレンキー、ペダルレンチ、ドライバ
 類があれば大丈夫かな。

 9のチューブは最低2本は持ってくるようにとガイドブックにも書いてあります。
 ホノルルの路面は場所によってはかなり汚れているようでパンクの可能性も高いとか。
 事前のパンク修理の練習も怠りなく(カミサンは半べそかきながらなんとか出来るようになりました)。

 10のインフレータですが、ちょっと大きくてもしっかりフレームに固定できて、高圧をきっちり入れられる
 ものが望ましいと思います。
 当初、CO2ボンベを使うタイプを持っていこうかと考えていたのですが、そのボンベが機内持ち込み禁止
 (受託手荷物も×)なんですね。
 諦めようかと思ったのですが、ホノルルのバイクショップでボンベを入手可能との情報をゲット。
 これでずいぶん楽が出来そうです... もちろん一番はパンクしないことですけどね。
 どちらにせよ、日本からはタイヤの空気を抜いて運搬する必要があるので、しっかり空気圧管理ができる
 ポンプは必須です。
 荷物に余裕があればフロアポンプがあれば便利でしょうね。

 工具のところに書くべきだったかもしれませんが、ほかに現地で調達しなくてはいけなくなる可能性のある
 ものとしては「ケミカル類」があります。
 チェーンルブやクリーナー、スプレー類はまず機内持ち込み禁止です(可燃性なため)。
 事前にしっかり整備しておけば、なくてもなんとかなるとは思いますけどね。

 11のサプリメント類は必要に応じて、現地調達も可能でしょう。
 湿布は必ず出番がありそうな予感...

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 もっていくものが決まれば次は梱包です。
 その前に... 自転車を梱包するには

  1.前後輪をはずす
  2.サドルを抜く
  3.ステムを抜く

 これくらいは最低しなくてはいけないので、みなさん練習しておきましょう。
 もちろん組み立てる練習も必要ですよ。 

 いよいよ梱包ですが、以下の方法が考えられます。
 お世辞にも扱いが丁寧とはいえない(海外での扱いには目を覆いたくなることも多し)飛行機の手荷物に
 なるわけですから、かなり気を使ってガッチリ梱包してやる必要があります。

 1.行きつけの自転車屋さんで商品が運ばれてくるときのダンボールを分けてもらう
   メリット:たいていの場合ロハで調達可能、ダンボールで軽量
   デメリット:ダンボールの素材によっては強度的に心配

 2.専用のハード輪行ケースを購入する
   メリット:しっかり頑丈、使い回しが効く
   デメリット:コスト、高いものは数万円以上。ただし最近海外輪行用に安価なものもあります。
          あと買ったはいいけど置き場所に困る可能性も(ケースはかなりデカイです)

 3.輪行ケースをレンタルする
   メリット:頑丈な専用ケースを比較的安価に使える。置き場所の心配なし
   デメリット:かなり前から手配しないと、メジャーな海外レース時期は予約困難。
          出発寸前に借りることになるので梱包作業がギリギリになる

 今回はたまたま自転車ショップのケースレンタルサービスを見つけたので、半年前から予約をして手配
 できました。
 デメリットのところに書いたとおり、借りられるのが出発寸前なので、どんなケースがくるのかちょっと心配。

 なお航空券の手配のところにも書いたとおり、箱、ケースの大きさが手荷物の範囲に納まるかどうか、
 しっかりチェックしておきましょう。
 大きな箱だった場合隙間にいろいろ詰め込みたくなりますが、重量オーバーにはくれぐれもご注意を。
 あとあまりに大きい箱の場合、自宅から空港までの移動が困難になる可能性も。
 車で移動の場合、特に複数台の自転車を積むときなど、あらかじめラゲッジルームの採寸をしておいた
 方がいいかもしれません。
 ウチの車の場合、これがギリギリで「出たとこ勝負」になる予定。
 最悪カミサンは成田エクスプレスで移動かも...

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いやはや、ずいぶん長文になってしまいました。
ここまで読んでくださった方、お付き合いいただきありがとうございました。
せっかく半年間、頭をひねっていろいろと考えてきましたので、少しでもみなさまの参考になれば幸いです。
まだまだ漏れているところもあるような気もしますが、気づいた点はおいおい「参戦記」の中にも書いていきます。

これからの" Road to Hawaii "、お楽しみに。

by alfa_driver1972 | 2006-09-19 23:00 | Bicycle


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