2007年 08月 07日
3776mの頂へ - 富士山登山その2
「富士山登山その1」はこちら
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【本八合目(3400m) - 頂上】
ご来光のパワーをもらって体も軽く... はならず。
登りで一番しんどかったのがこの最後の区間でした。
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このあたりから頭上をさえぎるものがなくなり、遠く上の方には九合目と頂上にある二つの鳥居が見えてきます。
よしあと少し、と最後の気力が出てきそうなものですが、どうにも体調が悪い。
頭痛が本格的になり、耳が遠くなったり、冷や汗が出て立ちくらみしたり。
これが俗に言う「高山病」か... 標高3500mをなめてはいけません。
さらに渋滞がひどくなりなかなか前に進まないのですが、そのおかげで休憩しながら登れることがかえって
幸いしています。
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意識朦朧としながら、九合目の鳥居を通過。
2人並ぶのがやっとなほどの狭くて険しい道、頂上までずっと人の列が続きます。
一歩進んでは止まりの繰り返し、頭上に見える頂上の鳥居が近づきそうで近づかない。
苦しい時間が過ぎます。

【頂上(3776m)】7:50
半分泣きそうになりながら、けど一歩一歩ゴールは確実に近づいてきます。
あと5回ジグザグを越えたらゴール、4回、3回、2回... 次を曲がれば...
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登頂開始から8時間、狛犬に出迎えられてついに頂上にたどり着きました。
一人の落伍者もなく、怪我もなく、みんな揃って3776mの頂へ。
ホント、よくがんばりましたね。

ただそのころの自分はというと... 残念なことにバンザイと喜ぶ余裕はなく、まだ下りがあると考えると安堵感を
覚えることもなく。
それもこれも、このズキズキと痛む頭のせい... 水分も食料も口にする気にならず、今となってみれば
せっかくの頂上なのになにやってんだ自分。
みなさんが散策している間、荷物番をしながら本日初のダウンを喫してしまいました。
(せめて頂上の郵便局には行きたかった... 代理購入してくれたプリンPaPaさんに深く感謝!)

それにしてもすごい人の数です。
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各山小屋の呼び込みの声、なかにはやたらとヘビーなロックミュージックを響かせている店も。
ずらりと並んだ自動販売機に、土に返ろうとしているごみの山。
これが富士山の現実かと悲観的に考えてしまうのは、この体調のせいもあるのでしょうが...
国際的観光地富士山の頂は想像以上に栄えたエリアでした。

とはいえ、下山道近くから見える火口の姿は圧巻。
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遠く向こうには富士山測候所が見えます。
そしてもう一つ見ものだったのが雲の表情。
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モクモクと湧き上がり、山肌にぶつかって霧散する様子はまるで生き物のよう。
寝転がった視線の先で、早回しのVTRを見ているような不思議な光景でした。
(実は家に帰って写真を見て「おーこんなにすごかったのか」と驚いてみたり... いかに現地で余裕がなかった
のかってことですな)

空が青い、とっても青い、空が近い、太陽が近い。
酸欠気味のボーっとした意識の中で、まるで白昼夢を見ているような非現実的な時間を体験した気がします。

【頂上出発】10:30
降りなければ帰れません。
そうわかってはいても、途中で歩みを止めてしまいたくなるような単調な下り道がつづきます。
やわらかい砂利道がひざと足首を痛みつけ、着地の衝撃が容赦なく頭に響きます。
イタイイタイイタイ... ツライ... けど歩を進めなくちゃ帰れない...
永遠に続くのではないかと思うようなジグザグ道、思考回路を停止して足元だけを見つめます。
植物のいっさいない赤い土肌、ここが火星だといわれてもあまりおどろきません、きっと...
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【七合目(2700m)】12:30
まじめな話、七合目なんてどこにもないんじゃないかと思えるくらい歩き続けた気がします。
さすがにみんなの顔も疲労の色が濃く... 登りより下りがキツイというのは事実のようです。

ここで体調に変化が。
頂上から下り続けて、はじめて喉の渇きを覚えました。
プリンPaPaさんからジュースを分けていただき(なにからなにまでスイマセン)、一気に飲み干します。
気がつくと頭の痛みがずいぶん楽になっています。
頂上から下ること1000m、ようやく「高山病」を脱したようです。
いやはや、苦しかったなあ...

【七合目 - 五合目(2305m)】
ゴールまで残り3km、やっと人並みの思考能力が回復してきました。
前半のスローペースのおかげで足腰を温存できていたのか、比較的順調な足取り。
このあたりからは山肌に植物の姿が見えてきて、徐々にですが歩きやすい道になってきます。

やっと写真を撮る余裕も出てきました。
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六合目からは登りのときと同じ道。
半日前はここを軽口を叩きながら通ったんだなぁ、かれこれ12時間以上歩きっぱなしか...
ほんの少し前のことのはずなのに、ずっと昔の出来事だったような感覚に襲われます。

【五合目到着】14:30
頂上から4時間、登頂開始から14時間30分、無事下山しました。
最初にしたこと... 一番近くにあった売店に駆け寄ってソフトクリームを購入。
甘さと冷たさが全身に染み渡ります... きっとこれ以上おいしいデザートにはなかなかめぐり合えない気がします。
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五合目から望む富士山。
見ると登るとでは大違いの霊峰富士。

いい経験ができました、間違いなく人生で何本かに入る思い出になりました。
その経験を共有できたすばらしい仲間に、まずは感謝。
おつかれさまでした、ありがとうございました!
みなさんにとってもいい思い出になったことを祈ります。

そして、今回の影の主役にも感謝。
おかげで最高の天気に恵まれたよ。
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一緒に登れてよかったね。


...そう、知ってます? 思い出ってツラいことを忘れてかぎりなく美化されていくんですよね。

「富士山に 登らない馬鹿 二度登る馬鹿」

「二度登る」に反応している自分はいったいなんなんでしょう。
あんなにシンドかったのに、ねえ...

by alfa_driver1972 | 2007-08-07 21:30 | 富士山登山 | Comments(16)
Commented by whitewild at 2007-08-07 22:34
> 富士山に 登らない馬鹿 二度登る馬鹿

にゃはははwww

中途半端に山をやってる人からよく聞きますねこれ(いや失礼)。
実は高度もあるし、そんなに難易度の低い山じゃないんですよね。
(なぁんて言ってたらこの歳まで登ったことない私だったりもしますw)

ともあれ、山登りの醍醐味をフルコースで堪能されたようですね。
本当にお疲れ様でした。リキの入ったレポ、本当に楽しく拝見しましたよ!
素晴らしいお写真はいつも通り素晴らしく、そして悔しくなんですが、
高山病スパイスが効いてる頃の写真がちょっとヨレてて ... あはは。すみません(^^;

どうやら二度目もありそうですね。
次はご一緒して、私がダウンします。よろしく!
Commented by プリンPaPa at 2007-08-07 23:23 x
またまたお疲れ様でしたー。
二度登った馬鹿ですが何か?w
頂上郵便局から自宅に送ったハガキ(登頂証明書)が今日届きましたー。
次はHIDEさんも出すべし!です。

そうそうすっかり美化されてもう楽しい思い出に変わってます(笑)
あんなに下りがキツかったのにねー。
今シーズンもう一回登ろっかなーって言ったらカミサンに呆れられました(爆)
もしかして7枚目の雲の写真は頂上のトイレ休憩のときコッソリカメラ拝借して撮った写真だったりしてw

とにかく怪我もなくみんなでやり遂げられてヨカッタヨカッタ!
Commented by 伊武四郎 at 2007-08-07 23:30 x
無事登頂おつかれさまでした。
ワタシが遥か昔に登ったトキ(お盆)はガラガラでしたよ。
だって台風来てたし(爆)
おかげで(?)八合目から上には登らせてもらえませんでした。
ま、ソレ以上登る体力もありませんでしたが(苦笑)
「今度こそ頂上制覇するぞ!」と思いつつ、早やウン年・・・
後悔はあるものの、また登れる自信がありません(汗)

しかし、自分が登ったトキは登るより下山する方がラクだった覚えがあるのですが・・・
おかしいんでしょうか?<自分
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-07 23:33
>whitewildさん
いやいや、ホントそのとおりでして、中途半端に一回登ったくらいが一番アブナい(笑)。
おそらく距離とか登山道の難易度は低いんだと思うんですが、なんせその高度ですよね。
ずっと動悸しっぱなしというのはすごくこたえました。
このまま心臓こわれちゃうんじゃないかと(笑)。

つらさ、楽しさ、美しさ、そしてみんなで登るということ。
仰るとおり、フルコースの富士登山でした。
しかし下りの写真はすくないすくない... そんな余裕は一切なしでしたよ。

おそらく(私が参加するかは別として(笑))二度目はあります。
某PaPaさんはなんでも今年もう一回行くそうですので、ぜひ、いかがです?(マジ?)

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-07 23:38
>プリンPaPaさん
あ、そうだもう二度目でしたね(笑)。

郵便早かったですねー。
ぜひ実家宛に出したくて、今回それだけが心残り。
頂上の風景も今ひとつ覚えてないし(どんだけー)。

不思議なもんですよねー、たった2日前のことなのにもうツライこと忘れてます。
健忘症でしょうか?(笑)
けど今年またってのはなんぼなんでも、やりすぎ(笑)。
あ、止めませんよ。

7枚目は時間からするとちょっと違うみたいです。
けど、たしかに「これ撮ったかなぁ」ってのがありましたありました。
次回は自分の一眼持っていかなくちゃ、メですよ(笑)。

いろいろありがとうございましたー。
次はもう一つの富士でよろしくです。

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-07 23:43
>伊武四郎さん
まさか登ることになるには... 実現しちゃいましたよ。
我ながらビックリでした。

そっか、かわさんも経験者だったんですね。
台風で8合目で断念って、某PaPaさんも同じ経験されていたような...
それはリベンジするしかないでしょう。
いつでもお付き合い... はしませんけど、きっと(笑)。

下山が楽だったとはオカシイですねぇ。
ひょっとすると大砂走りとかだったんですかねぇ。
やっぱ確認のためにも今一度の登頂を無責任にオススメします(笑)。

HIDE
Commented by ぶっちい at 2007-08-08 10:42 x
下山道では全く写真を撮る気力がありませんでしたよ。
HIDEさんやpapaさんや自分の撮った写真を見ていると
来年も。。。と思ってみたりして(笑)

今回の反省も踏まえて登れば楽勝?かも(ぉぃ
Commented by alaska-v50 at 2007-08-08 16:54
>富士山に 登らない馬鹿 二度登る馬鹿
うはは!面白いですねww

ブリの皮喰う馬鹿、鮭の皮喰わぬ馬鹿

ってのも、魚屋さんで聞いたことありますw

閑話休題。。

お疲れ様でした!下りの辛さはよくわかります。。源流釣りでさえ下りは
相当シンドイですし、こんなにきた覚えは・・と、毎回思いますし(爆

頭痛は相当大変だったでしょうね。でも、ゆっくりと景色を見られた分、
お写真はキレまくりです!!
最後の振り返り富士的な5合目の写真も、うへぇ・・これをHIDEさん
登って・・って感慨に深い一枚です(汗

とにかく、お疲れ様でした!!

同じマンション(マッチョさん)の知人が、先日こんなのに出たそうです・・
http://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=1709

これも一種の馬鹿・・なのではないでしょうか(大汗
Commented by のりピー at 2007-08-08 20:56 x
こちらでは初めまして。先日はお疲れ様でした。
その後、筋肉痛はどうですか?
どうやら、来年も・・・なんて雰囲気になっているようですが(笑)
イイ思い出が出来て良かったです。ありがとうございました。
Commented by Jano at 2007-08-09 00:25 x
富士登頂な方々お疲れさんでした。
天候にも恵まれていい思い出となったようで何よりです。
私も登った時は高山病に悩まされて、初めて自分が高所に弱い
と言うことを知りましたね。睡眠不足で行くと覿面ですな。
でもスノーバードにスキーに行ったときは結構大丈夫だった
(ゲレンデの頂上が3500mくらいある)から、夜登頂のための
寝不足の方が利いてたのかも。
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-09 12:28
>FOXさん
鮭の皮はおいしいですよねぇ… って反応するところが違う?(笑)

登りもしんどかったですが、下りは想像以上でした。
延々と単調な道が続くのでイヤになっちゃうんですよね。

振り返って見上げた富士山、ホントにこんなのに登ったんかいなとちょっと非現実的でしたよ。
FOXさんもぜひチャレンジ!

リンク先は富士登山競争ですね。
五合目じゃなくて麓から、3時間で駆け上がっちゃうとか...
馬鹿というかドMですね、きっと(笑)。

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-09 12:30
>のりピーさん
おつかれさまでした!
コメントありがとうございます。

しかしのりピーさん、たくましかったですねぇ。
ヘトヘトの男性陣を横目にすいすい歩かれていて、感心してしまいました。

なんだか来年もになりつつある今日この頃。
ぜひまたご一緒しましょう... って言っていいんかな(笑)。

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-09 12:32
>Janoさん
全員無事登頂できましたよー。
天候もばっちり、怪我も事故もなく大成功でした。
帰り道もなんとかくたばらずに家まで着いたし。

やっぱり睡眠不足が大きな障害だった気がしますね。
もともと偏頭痛持ちで寝不足になると効果覿面(?)なんですよね。
一泊コースが無難なのかなぁ。

次回はぜひご一緒に!

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-09 13:41
>ぶっちいさん
下山道、私も七合目まではほとんど写真なし... まあ無理もないです。
あの距離間違い看板(ですよね?)を見たときはヘナヘナきましたよ。
長い道のりでしたね。

一度経験すると次はラクに登れそうな気がしちゃいますね。
しっぺ返しにあいそうですけど(笑)。

HIDE
Commented by qchan1531 at 2007-08-10 22:38
こんばんは。
登頂おめでとうございます。それから登山にカメラを携行されたこと
大変だったとおもいます。実際に撮るのがね。どのカットもある意味
迫力があります。浅間大社のしっかりとしたピントが印象的です。
Commented by alfa_driver1972 at 2007-08-11 17:21
>qchanさん
ありがとうございます!
かなりほうほうの体でしたが(笑)なんとか登頂してきました。

頂上付近は光線状態がとても不思議で、写真もなんだか雰囲気が違いますよね。
浅間大社のショットはフラフラになりながら数カット撮っていて、バシッときてたのはこのカットだけでした(笑)。

HIDE


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