2008年 08月 08日
2度あることは... 富士山登山記2008 - 2
(その1はこちら

一歩歩くたびに悲鳴をあげたくなるような頭痛に苦しめられた去年に比べると、ずっと順調だった今年の富士登山。

そうそう、ひとつ書き忘れたことがありました。
それは星空の美しさ。
じっと目を凝らしてその暗さに目が慣れてくると、天の川らしききらめく小さな星が見えてきます。
さえぎるはずの雲は眼下にしかない不思議な眺め。
思い返すと今年は星空をたのしむ余裕もなんとかあったんだなぁと...

さて、前回の続き。

夜明け間近、いちばん気温の下がる時間ということもあって、まったく動けなくなってしまった友人はしきりに
寒さを口にしています。
これはここにいても状況は明るくならんな... よし、勇気を持って一時撤退。
さっきカップラーメンを食べた山小屋まで戻ろう、そうすれば今の時間ならベットも空いてるし。

頂上でのご来光をめざす登りの渋滞をかき分け、4人で遠く下に見える明かりをめざします。
しかし人ごみにこの岩場... 歩きにくいったらありゃしない。
何度もずりっといきそうになりながら30分くらい歩いたでしょうか、ようやく山小屋に到着。
ご来光組を送り出した小屋は閑散としていて、1時間1,000円でベットでの休憩も可能とのこと。
すこし体調の戻った友人と私とカミサンの3人はここでいったん休憩、初富士山ながら体力バリバリの義弟は
このまま再度頂上にチャレンジ(がんばれ!)。

いったんゆっくり休んで、体調がよかったら僕たちももう一度頂上をめざそう。
こちらも初富士山チャレンジの友人に声をかけ、ひとまずベットにもぐりこみます。

その前に... 時はちょうど夜明けの頃。
せっかくだからここからご来光を眺めることにしましょう。
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漆黒の空に明るさが戻り、青とオレンジのコントラストがだんだん薄くなってきます。
下にはずっと広がる雲海、ここははるか雲の上、不思議。
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午前4時50分、今年のご来光は九合目から。
去年が八合目からだったのですこし上にあがりましたね。
来年こそは? いやいやいや。

【九合目 3,460m】 6:40
下りでちょっと無理したこともあって、じつはあのいやーな頭痛が出てしまっていました。
1時間ちょっととはいえ睡眠がとれたのはとてもラッキー。
すっと軽くなった体と頭、友人に調子を聞くと
「大丈夫、行こう」
すっかり夜も明け真っ青な空が広がる中、もう一度ここから頂上目指してスタートです。
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【九合五勺 3,600m】 7:40
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渋滞もなくなりすっかり登りやすくなった登山道。
一度手が届くところまで来た九合五勺までやってきました。
ここまで来ればあと少し。
一足先に頂上に到着して心配して下りてきてくれた義弟とここで合流。
申し訳ないのですが、彼にはもう一回頂上を味わってもらうことにしましょう(それにしてもすごい体力、感心)。
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頂上はもうすぐそこ、がんばれ。

【頂上 3,700m】 8:35
途中1度の休憩をはさみ、しだいに頂上の鳥居が大きくなってきます。
あと2つ曲がれば、あと10段上がれば... そしていよいよ...
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今年も無事山頂まで来ることができました。
先行した6人もすでに頂上まで来ていて、これで10人全員登頂成功。
すばらしい。

昨年は鳥居をくぐってからの記憶がどこか曖昧なほど疲労困憊、頭痛激痛だったのですが、今年は途中休憩を
とってることもあり、すこしは余裕があります。
昨年出来なかった、頂上の郵便局から手紙(登頂証明書)を出したりしてのんびり頂上を味わいます。
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ただ、本当の頂上3,776m地点は今年も断念... そこまでの体力は残ってませんでした。
これからの長ーい帰り道のことを考えるとどうしてもね。
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それにしても頂上の太陽光線は強烈です。
夜が明けるまであんなに寒かったのに、今はちょっとした灼熱地獄。
日陰がほとんどないので、日焼け対策をしていないとあっという間に真っ黒焦げです。
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そう、これくらいで正解。

【下山開始】 11:30
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いよいよ帰り道。
昨年はまさに「修行」の一言でしたが、今回選択した下山道御殿場ルートは適度に山小屋などの目標が点在していて、
思ったよりは歩きやすいルートでした。
もちろん、体調がまともなのがいちばんの理由だと思いますけどね。
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眼下に広がる景色を眺める余裕もあり。
下のほうに見える赤い土肌の山が宝永山。
あそこをぐるっと回り込んで登ってきた富士宮ルートに出るといよいよゴール。
近そうなんだけどなぁ、これが遠いんだ...

この日は「富士登山駅伝」が行われていました。
このイベント、なんと標高500mちょっとのところから6人で頂上まで上がり、また同じメンバーで下まで降りる
という、超鉄人達の駅伝レース。
標高差3,200m、それを往復してなんと4時間弱で走りきってしまうそうで... 想像できません。
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そんなランナーたちに「がんばれー」の声援をかけながら、いやいや自分たちもがんばらないと下まで着きませんよ...

【七合目 3,000m】 13:40
休憩を挟みながら歩くこと約2時間、登りの渋滞が嘘のようにここ御殿場ルートはすいています。
今年は昨年の経験を生かして2本ストックを持っていったのですが、これが大正解。
特に下りはものすごく楽になった気がします。
これから登る方、伸縮式でスプリングの入ったストックを、ぜひ2本ご用意あれ。
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七合目から下はちょっとしたおたのしみ「大砂走り」。
ふかふかの砂地を(元気があれば)一歩3mくらいの勢いで下りることができます。
どことなくスキーみたいな感覚(耳もツンとするし)。
ウソってくらいあっという間に下れるので、ちょっと得した気分になれます。
ただ砂埃が半端ではないので、靴の上にかぶせるスパッツ、サングラス、マスクは必須。
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これまで下に見えていた雲の高さまで下りてきました。

【宝永山 2,600m】 14:00
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ここまでくればゴールの新五号目まであとすこし... のはずがさすがにしんどくなってきました。
相変わらず足もとがやわらかく、勢いをつけて下りられるのに助けられています。
それにしてもこのルート(御殿場ルート - 宝永山 - 富士宮ルート)は景色の変化に富んでいて、昨年に比べると
ずっと退屈せずに歩けます。
体調がいいから? それとも慣れ? もちろんここまでほとんど寝ずに歩いているわけでしんどくないはずが
ないのですが、それでもなんとかきちんと歩けています。
さすがに鼻歌までは出ませんが、そろそろゴールだねぇと振り返るくらいの余裕がありました。

【富士宮口新五合目 2,400m】 15:40
いやはや、宝永山からが意外と長かった...
まだかまだかと思っていると、やっと行きにも見た風景とぶつかりました。
登頂開始(20時)から約20時間、10名全員怪我もなく無事ゴールに到着。
長かったようなあっという間のような、去年も感じた不思議な気持ち。
夕方から夜、夜から朝、そしてまた夕方... 丸一日24時間、富士山の懐で過ごしたことになります。

登りはじめる前はまたどんな苦行が待っているのかと不安でいっぱいでしたが、2回目の富士登山は違うルート、
違う仲間に恵まれ、また新しい思い出を刻んでくれました。
そして、今回強く思ったのは「女性は強い!」
下り道、バテ気味なヘロヘロ男性陣を傍目に、自分のペースでしっかりと歩く女性陣に少々ビックリ。
「たのしい富士登山でした!」と笑顔で去っていくその姿が、とてもまぶしかったです。

心配していた頭痛も今年はほとんど顔を見せず、登山直後こそふくらはぎのあたりがパンパンでしたが、翌日
からも普通に活動することが出来ました。
まずルートが去年より楽だったこと、2度目ということでなんとなくペース配分がつかめていたこと。
帰り道への覚悟ができていたこと、そして10名という大パーティーがとても楽しかったこと。

惜しむらくは本当の頂上3,776mが制覇できなかったこと? あちゃーまた喉元過ぎればだよ...

by alfa_driver1972 | 2008-08-08 23:47 | 富士山登山 | Comments(12)
Commented by m2tk_kaolin2 at 2008-08-09 02:40
夜明け空、絶句です^^
こんなに綺麗なんですね。
自分の足より下に雲があるってホント不思議。
お疲れ様でした。
Commented by のり at 2008-08-09 16:16 x
初挑戦の一人。
9合五勺手前で一時ダウンしてしまった友人Aです。
この度はありがとうございました。
皆さんのおかげで頂上に立つことができました。
ご来光の時はちょうどダウンしていて見逃してしまいましたが・・・。
登頂の達成感は十二分に味わうことができました。
僕は馬○ではない、はずです(汗)
Commented by Jano at 2008-08-10 00:32 x
2年連続登頂おめでとさんです。あ、登"頂"ではないって?
来年もがんばってください。

にしても空の色が別モンですね、大気が薄いと。空以外の画も、日差しの強さをたっぷり感じますな。
ま、下界は地獄のような暑さだった日ね、先週は。
こんどはチャリでどっかの山いこうよ。
Commented by qchan1531 at 2008-08-10 07:41
おはようございます。富士登山おつかれさまでした。
7時くらいでこんなにあかるいのですね。驚きです。上りながらの撮影はまた別物ですね。9合目の雲のあたりなんか、16-45でちょっと見せてくださいよみたいな感じになります。うらやましい光景です。空気の澄んだ山の写真は撮ってみたいのですが、自分がそこに行くのを考えると相当長い道のりのような。仕事の山くらいしときます。登るの。(いやごめんなさい、せっかくの記事に大変失礼しました)
Commented by ひろゆき at 2008-08-10 10:50 x
本当に綺麗な景色は苦労せな見れない
って感じの写真ですね。
ではノリで来年はマラソンの部で
登山しちゃいますか?
自分は時期が合えば・・・・・
応援に行きますので
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-10 20:50
>m2tkさん
ご来光、写真もきれいですが、実物はもっと感動できますよ。
美しさもさることながら、それを見るまでの苦労まで思い出されまして...(笑)
日ごろ夜明けを見ることなんてあんまりない機会だけに、あらためていいものを見ることが出来ました。

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-10 20:52
>のりさん
なるほど、下の名前できましたか(笑)。
初コメントありがとう。

ダウンしたときはこりゃ頂上は難しいかなと思ったけど、復活できてなによりでしたね。
あのまま下りるなんてことになったら悔いも残ったと思うので、ほんとよかったです。
残すのはご来光のみですね、来年も?(笑)

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-10 20:54
>Janoさん
たしかに「頂」は今年も逃しましたねぇ...
あそこまで登るとどーも気が緩んじゃって。

空の色、雲の色、富士山頂上はすごく鮮やかです。
大気の薄さなんでしょうね。
紫外線もムチャクチャ強烈、油断すると焦げます(笑)。

チャリで山ねぇ... 歩くのよりさらに苦手かも(笑)。
まずはリハビリから、軽めのいいコースどっかないかなぁ。

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-10 20:58
>qchanさん
4時くらいからうっすら明るくなり始めて、夜が明けるとあっという間に太陽全開です。
登る前はK10D持っていくかだいぶ迷ったのですが、やっぱり持っていってよかったです。
せっかくなんだから、しっかり写真も撮らないといけませんね。

夏山の写真は透明感があっていいです。
とりあえずクルマで行ける所なんて、いいんじゃないですか?

HIDE
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-10 21:00
>ひろゆきさん
あれだけ重たい思いをしたかいがありましたよ。
なかなかキレイな写真が撮れました。
あのマラソンは... 1200%無理です(笑)。

HIDE
Commented by sei-koba at 2008-08-12 15:29
ついに3年連続登頂宣言がでたのかな?
いや、宣言をして是非ご来光の写真を撮ってください。
楽しみにしてますから (^^ゞ
Commented by alfa_driver1972 at 2008-08-13 02:44
>Seiさん
いやいやいや、まだ出てません、ってか出したくありません(笑)。
けど去年に比べるとずっとたのしむことができて、これだったらもう一回くらい行ってもいいかなぁなんて...
いかんいかん、危ないなぁ(笑)。

HIDE


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