2014年 12月 31日
今年もこのブログにこのエントリーを書き込む日がやってきました。 2014年12月31日、毎年のように紅白をBGMに、残すところあと3時間と少し。 我が家の年越しは、苦手なくせに意外なほどの完璧性を求める大そうじのせいで、毎年それこそ年が変わるそのときまで 掃除をし続けているのですが、今年はカレンダーの並びのおかげで少しゆとりのある年越しができそうです。 年賀状も出したし、洗車もしたし、あとはお蕎麦をいただくのみ。 こんなにゆったりとした大晦日、次は何年後になるんだろうか... と年を越す前から早くも遠い目であります。 2014年、仕事も遊びもとても変化の多い一年でした。 最初は、ただ好きな音楽を聴きたい思いだけで参加した集まりで、いつの間にやらDJの真似事をさせていただくようになり、 特に今年後半は金曜日夜ごとのDJイベントが遊びの中心になりました。 好きな音楽をいっしょに聴いて、かけて、ワイワイ盛り上がるあの感覚は、学生時代までさかのぼる懐かしさを感じると同時に、 とても新鮮な気持ちで楽しむことができました。 まったく新しいコミュニティに飛び込むことは、少しハードルの高いこと。 ここ数年ジャンプできなかった自分が、「飛んでみよう」と思えたことが今年の変化点でした。 「やらずの後悔よりやってからの後悔」、できることならやってからも後悔はしたくありませんが、何事もやってみないとわからない。 そしてだいたいにおいて、あとから振り返ると「やってみてよかった」になるものだと思います。 来年もたくさんの出会いがあるといいな。 そして今年、いろんな場面で僕と関わり、遊んでくれたみなさまに心より感謝申し上げます。 良い新年をお迎えください。 #
by alfa_driver1972
| 2014-12-31 20:50
| foto+diary
2014年 02月 03日
ほとんどの場合異なる、まず重ならないと言っていい。 若いころはそうじゃなかった。 自分が好きなもの=人に勧めるものだった時代も長くあった。 それは相手のことを思って自分の好きなものを勧めていたというよりは、今話題のキーワード(?)の承認欲求だったのだと思う。 「ねえこれいいでしょ? 私も使ってるの、ゼッタイいいって、いいから買ってみなよ」 今考えると迷惑な話だ。 自分と同じものを相手に「後から」所有させることによって承認欲を満足させていたのだ。 所有とか購入とか堅苦しい行為じゃなくても、例えば「この曲いいでしょー」とか「この本読まなくちゃダメだって」も同じようなものかな。 ああ、昔の僕はなんて鬱陶しかったんだと、今考えると赤面してしまうと同時に頭をいろんな方向に下げたくなる。 少しは分別のついた大人になると、さすがにそうではない。 勧める相手と自分の環境は違うことが多いし、自分はいいと思って使っているものだけどまずこの人には合わないだろうなという 想像力を発揮することもできる。 今、一眼レフが欲しいという人にペンタックスを勧めることはしないし、クルマを買い換えたいというマジメな友人にアルファロメオを勧めることもしない。 自分だけがその良さをわかっていればいいのだ... というのは相手を思いやってのことでもあり、裏でニヒヒと笑っている、底意地の悪さが 同居していることも否定はできないのだけれど。 このように、自分が好きで詳しいジャンルであればあるほど、人にこれいいよオススメだよというものと、自分が気に入って使っているものはまず違うのだけど、 去年の夏から使っているあるイヤフォン、半年使ってみてこれは人に勧めてもいい、いや勧めたいと珍しく思った。 正確には「音楽やオーディオが好きで、イヤフォンに2万円程度出してもいい」と思っている人にオススメ、かな。 裏を返すと、人にオススメしたくなってしまうくらいにお気に入りなのだ。 MDR-EX800ST、ソニー製、正確にはソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)製の業務用イヤフォン。 と書くとまたマニアックな、と思われてしまうかもしれないけど、amazonをはじめ通販では容易に手に入るし、ヨドバシカメラなんかでも 取り扱っていて店頭で試聴もできる。 唯一気をつける点があるとすれば、普通は一年程度付く保証が一切ないことくらい。 ただ、断線してもリケーブルできるしパーツ単位(ユニット片方まで)で購入することも可能。 そう構える必要もない。 オススメする理由、それはもちろん「音がいい」からなんだけど、これは百を述べるより(述べるんだけど)ちょっといいイヤフォンを買ってみたいと 考えている人にはぜひ一度試聴していただきたい。 サウンドの第一印象は「ラージモニター」。 30cm以上のウーファーを頑丈なエンクロージャに設えて、良質なスコーカーとツイーターが完璧なバランスでそれをしっかり支えている、そんなスピーカー。 ちょっと太めだけどかっちり締まったダイレクトなサウンド、そしてそこに少しの湿り気。 「モニター」という言葉から連想されるドライさ、音のチクチク感は一切ない。 だから800STは、写真の下に写っているモニターの大定番MDR-CD900STと比べると、サウンドの傾向としてはどちらもモニターながら、だいぶ趣が異なる。 900STは長く聴いているとちょっとクラクラしてしまうくらい音が無味無臭な割に強くて、ある種の痛さを感じるんだけど、800STの音はトゲがなくて 長く聴いていられるもの。 だから、作った側からすれば想定外の使い方かもしれないけど、毎日の通勤や家でのリスニングにも向いている。 800STの方式は昔ながらのダイナミック型、16mmと大きめのユニット一発だ。 今の高級イヤフォンはバランスド・アーマチュア(BA)が主流で、あの繊細で高解像度な音に比べるとちょっと高域が物足りなく聴こえるかもしれないけど、 僕がマルチBAにときどき感じる不自然なセパレート感や、ある種の音のふんづまり感が800STにはない。 少しだけブーストされた低音を軸に、四角いんだけど丸い、硬いんだけど優しい、なんとも爽やかでいい塩梅なのだ。 それでいてモニターらしく出るところはしっかり出ている。 いいイヤフォンに替えるとこれまで聴こえなかった音が聴こえたり、同じ曲がまるで違うように聴こえたりするけど、800STにしてからは 理屈は抜きにして音楽を聴くのが楽しくて仕方がない。 Perfumeも相対性理論もPeter Gabrielも坂本龍一もなんでもござれだ。 リズムが、ビートが跳ねて、だけどどこか落ち着いていて、なんせ気持ちいいのだ。 あえて欠点を挙げるとすると、つまらない音はとことんツマラナクしか鳴らせないところだろうか。 録音、マスタリングの古い音源や、もともとレンジの狭い音源は、まるでカビ臭さが伝わってくるくらいつまらなくしか鳴らない。 逆にイマドキのEDMだったり、音域、ダイナミックレンジの広い音源を鳴らすと、まるでイヤフォンが喜んでいるかのようにいきいきと鳴る。 それでいてボリュームを上げてもどこも破綻せず耳に刺さらない。 このあたり、さすが「モニター」の面目躍如といったところ。 ここまで語っておいて、いつもならば「エヘヘ、けど僕だけがわかってればイイや」とほくそ笑んで終わりにするところなんだけど、 このイヤフォンは広く音楽好き、イヤフォン好きにお勧めしたい。 まだかまぼこの箱のほうが豪華だよってくらい味も素っ気もないパッケージに入ってきてちょっとびっくりするけど、中身は間違いなく「ホンモノ」。 まずはぜひ試聴だけでも。 僕はその一度の試聴が命取り、おそらくこの先ずっとこれを使い続けると思います。 (補足)都内近郊であれば、秋葉原のeイヤホン、ヨドバシカメラあたりで試聴可能。 僕に会える方は強制的に聴かせてあげます。 #
by alfa_driver1972
| 2014-02-03 22:30
| foto+diary
2014年 01月 26日
ちょっといいカメラでRAWで撮影、家に帰って最近のよくできた現像ソフトを立ち上げると、可能性は無限だ。 パラメータをぐいっといじればあら不思議、現場では見えなかった色が、ディテールが、浮かび上がってくる。 撮影とは別の興奮。 もう少し色を鮮やかにして、もう少しコントラストをつけて、もう少しシャープネスを強くして、おっとノイズが出てきたからノイズを消さないと... はっと気づくと最初の写真からは遠くかけ離れた「お絵描き」になってしまっている。 止めどころがない。 こうなると撮影は「素材収集」だ。 現場で「これはトリミングしてこう現像すればもっとよくなる」って考えている自分がいる。 なんかに似てるなあって... 最近の音楽製作とほとんど同じ気がしてきた。 DAWを使えば録ったあとの加工は自由自在、ピッチもテンポもどうにだってなる。 お金と時間のかかる録音はさっと済まして、あとは自宅のPC+DAWで。 「大丈夫でーす、あとで直しておきまーす」は、夜更かしが原因の肌荒れをレタッチするだけじゃなく、伸び切らなかった高音を直すことだってできるのだ。 あれこれフィルターを当てて、コンプをかけて音圧を詰め込み、パッと聞きは派手で迫力のある究極の「ドンシャリサウンド」ができあがる。 地味な音はもう受けない、どころか、許されないのだ。 とここまで書いてこのハナシ、ゴールはどこにもない。 僕はこれからも写真を続ける限りRAW現像を必ずするし、その限りきっと派手で見栄えのいい仕上がりを目指し続けると思う。 いわゆる「撮って出し」の方が偉いなんてちっとも思わないし、逆に可能性の放棄であるとすら思う。 ...なんて小難しいことを口に出すでもなくぶつぶつと考えながら、ずっとPCの前であーでもないこーでもないとLightroomと格闘して やっと現像した写真を翌日もう一度見たときと、夜中書いたラブレターを翌朝真っ赤な顔をしながらビリビリ破り捨てざるを得なかった あの思い出は、まったく同じだな、と。 #
by alfa_driver1972
| 2014-01-26 23:37
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